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リフォーム大工の日当は労務単価30,331円が起点|新築と違う上乗せ項目【2026年】

<b>リフォーム大工の日当は、公共工事設計労務単価(2026年3月適用)の大工・全国平均30,331円を起点にします。そこへ、新築よりかさむ段取り・養生・経費を上乗せして決めるのが基本です。</b>この記事では、リフォーム現場で日当が変わる理由、別に請求すべき項目、支払条件・インボイス・労災で手取りを守る確認点を順に解説します。

リフォーム大工の日当はいくら?労務単価から考える起点

大工の労務単価は全国平均30,331円(2026年3月適用)

リフォーム大工の日当を考えるときに、公的に示された基準として使えるのは国土交通省の公共工事設計労務単価です。2026年3月から適用されている単価では、大工(家屋の築造・屋内の造作)の全国平均は30,331円です。47都道府県の単価表から当社が計算した中央値は30,000円で、大工の単価は41都道府県で設定されています。

この数字を使う前に、性格を正しく押さえておく必要があります。労務単価は公共工事の積算に使う単価で、公共工事に従事した労働者の賃金を調べて決めたものです。所定労働時間内の8時間あたりの賃金を表しています。民間のリフォーム工事の相場でも、一人親方の手取りでもありません。さらに、次の費用は含まれていません。

  • 時間外・休日・深夜の割増
  • 法定福利費(事業主負担分)・安全管理費・宿舎費などの必要経費
  • 一般管理費

つまり労務単価は「雇われた職人が受け取る賃金の水準」です。道具・車両・保険を自分で持つ一人親方にとっては、日当を決めるときの下限側の物差しとして使うのが妥当です。

地域差の幅:都道府県で27,200円〜34,800円

大工の労務単価は地域によって差があります。公共工事設計労務単価(2026年3月適用)で設定がある都道府県のうち、最低は鳥取県の27,200円、最高は宮城県の34,800円です。主な都道府県は次のとおりです。

  • 東京都 30,600円・神奈川県 30,400円・埼玉県 30,600円・千葉県 30,500円
  • 愛知県 34,000円・大阪府 29,300円・兵庫県 29,200円
  • 広島県 27,600円・福岡県 29,200円

自分の日当を見直すときは、全国平均ではなく主に仕事を受けている都道府県の単価と比べてください。県境をまたいで動く人は、両方の単価を確認しておくと交渉の材料になります。

リフォームでは、大工が石こうボード張りまで受け持つ現場も多くあります。同じ単価表の内装工(壁紙・石こうボード等のボード・床材の張付け)は、都道府県の中央値が32,400円です。自分の作業範囲がどの職種に近いかを整理しておくと、「大工の単価だけで計算されるのは実態に合わない」と根拠を持って伝えられます。

求人の日給との違い(当サイト掲載求人の集計)

雇用される大工の求人と比べると、数字の見え方は大きく変わります。当サイトに掲載中の大工・日給の求人5件(2026年11月3日時点)では、給与欄の下限の中央値が15,000円でした。下限の中央付近の幅は15,000円〜17,000円です。

ただし、これは掲載求人の給与欄の下限・上限を集計したもので、実際の支給額ではありません。実態の調査でもなく、件数も少ないため、相場として言い切れる数字ではない点に注意してください。

この差から読み取れるのは、雇用の日給と一人親方の日当は「同じ物差しで比べられない」ということです。雇用であれば、会社が社会保険料の一部・道具・車両・労災保険を負担しています。一人親方はそれらを日当の中から自分で払います。そのため、求人の日給と同じ水準で常用を受けると、手取りは雇用時より減る可能性があります。独立を検討している段階なら、まず「求人の日給+自分が負担する経費」を最低ラインとして書き出してみることが判断の第一歩になります。

リフォーム現場で大工日当が新築と変わる理由

解体してみないと1日の施工量が読めない

新築の造作であれば、図面と過去の経験から1日に進む量をある程度読めます。リフォームでは、床や壁を剥がしてから次のような不具合が見つかることが珍しくありません。

  • 下地の腐朽・シロアリ被害
  • 不陸(床の傾き)や柱の傾き
  • 図面と違う既存の構造

こうした補修に時間を取られると、同じ日当でも実際の進み具合は大きく落ちます。

そのため、リフォームを手間請けや一式で受けるときは「想定外の補修は別途」と事前に決めておくことが重要です。常用で受ける場合も、補修に入る前に元請・施主へ報告し、追加日数として扱うかを確認しましょう。黙って作業を進めると、増えた日数がサービス扱いになりやすく、実質の日当が下がります。判断基準は単純で、見積時に見えていなかった作業は、着手前に一言入れて合意を取ることです。

養生・搬入・片付けに時間を取られる

住宅リフォームでは、作業そのものより前後の段取りに時間がかかります。主な作業は次のとおりです。

  • 床・壁・家具の養生と撤去
  • 狭い通路や階段を使った材料の搬入
  • 粉じんの清掃と、毎日の片付け
  • 解体材の分別

新築現場なら他職や手元が分担する作業でも、リフォームでは大工一人がすべて受け持つ場面があります。

日当で受けるなら、これらは日当の中に含まれる作業として扱われがちです。だからこそ、受ける前に「養生材は誰が用意するか」「毎日の清掃はどこまでか」「解体材を積み込むのは誰か」を確認しておく必要があります。段取りが重い現場とわかっていれば、日当の上乗せを提案するか、段取り分を1日として別に数えるよう伝える材料になります。

住みながらの工事は作業時間が短くなる

施主が住んだまま進める工事では、作業できる時間に制約がかかります。たとえば次のようなものです。

  • 音の出る作業の時間帯
  • 近隣への配慮から決まる開始・終了時刻
  • 水回りを止められる時間

8時間を前提にした日当でも、実際に手を動かせる時間は短くなることがあります。

この場合は「拘束時間」と「実作業時間」を分けて記録しておくと、単価交渉のときに説明しやすくなります。また、居室で作業するリフォームでは、靴下や身だしなみなど新築現場とは違う配慮も求められます。リフォーム現場で求められる装備を事前に確認したい人は、現場ごとの服装ルールと準備すべき装備も参考になります。

少人数・多工程で段取りを一人で担う

リフォームは規模が小さいぶん、一人の大工が受け持つ範囲が広がりやすい仕事です。解体、下地補修、造作、ボード張り、建具調整までを一人で順に進めることもあります。さらに、設備や内装の職人と入れ替わるタイミングの調整まで任される場合もあります。

工程管理に近い役割まで担っているなら、その分は単純な作業員の日当とは区別して考えてよい部分です。交渉では「段取りと他職との調整まで含めて受けている」という事実を、作業内容の一覧で示すのが有効です。具体的には、日報に次の内容を残しておくと説得力が増します。

  • その日に行った作業
  • 調整した相手
  • 待ち時間

リフォーム大工日当に上乗せ・別請求する項目の決め方

自分で負担する経費を日当に積み上げる

国土交通省は参考値として、労務単価が25,834円の場合、事業主が労働者1人を雇うのに必要な経費は38,234円(148%)になると示しています。内訳は次のとおりです。

  • 法定福利費・労務管理費等:7,492円(29%)
  • 安全管理費・宿舎費・送迎費等の現場作業にかかる経費:4,909円(19%)

国交省は、これらの必要経費分を下請代金に計上しないことや値引くことを不当行為としています。

この148%を一人親方の適正単価と言い切ることはできません。それでも、「労務単価の外側に経費がある」ことを示す公的な根拠として使えます。一人親方は次のような費用を自分で負担しています。

  • 国民健康保険・国民年金・労災特別加入の保険料
  • 電動工具や刃物の購入・修理代
  • 車両の維持費・燃料代

これらを年間で合計し、稼働日数で割った1日あたりの額を労務単価に足すと、自分の下限日当が見えてきます。

駐車場・残材処分・材料の立替は日当と分ける

リフォーム現場では、日当とは別に費用が発生しやすい項目があります。代表的なものは次のとおりです。

  • コインパーキングなどの駐車場代
  • 解体材・端材の処分費
  • 急な追加で自分が立て替えた材料・金物
  • 遠方現場の高速代

これらを日当にまとめて受けると、現場によって手取りが大きくぶれます。

見積書や請求書では、日当(人工×日数)と実費の行を分けて書くのが基本です。受ける前に「駐車場は元請手配か実費精算か」「処分は誰の負担か」を確認し、口頭だけでなくメッセージや注文書に残しておきましょう。証拠が残っていれば、請求時の行き違いを防げます。

半日・小工事の最低日当を決めておく

リフォームでは「建具の調整だけ」「手すり1本だけ」といった短時間の依頼が入ります。移動と準備にかかる時間は丸1日の現場とほとんど変わらないため、作業時間だけで按分すると手取りが目減りします。

自分のルールとして、あらかじめ次の項目を決めておくと判断がぶれません。

  • 半日扱いになる条件(午前のみ・午後のみなど)
  • 半日の場合でも、移動を含めて1日扱いにする距離・時間の基準
  • 1件あたりの最低請求額
  • 所定時間を超えた場合の扱い(追加人工として数えるか)

なお、労務単価は所定時間内8時間の賃金で、時間外の割増を含みません。長時間になりやすい現場では、延長分の扱いを事前に取り決めておくことが大切です。

手間請けに切り替えるときの下限の出し方

リフォームでも、床張りや天井・壁のボード張りなど施工量を測れる作業は、手間請け(平米・メートル単価)で受ける選択肢があります。手間請けの平米単価には公的な基準がありません。そこで、次の計算で自分の下限を出します。

  • 平米単価の下限の目安=日当の目安 ÷ 1日に施工できる量

日当には、前の項で積み上げた「労務単価+自分の経費」を使います。施工量は、過去の日報や現場記録から自分の実績値を使ってください。

リフォームでは、下地の不陸調整や既存との取り合いで、新築より施工量が落ちます。新築での実績値をそのまま使うと、下限を低く見積もってしまう点に注意が必要です。条件の悪い現場では施工量を控えめに置き、手間請けに含めない作業(解体・補修など)を明記してから受けるのが判断基準です。

リフォーム案件で日当の手取りを守る確認事項

支払条件と締め日を受ける前に確認する

日当を上げても、入金が遅れれば資金繰りは苦しくなります。受ける前に、次の項目を確認しておきましょう。

  • 締め日と支払日
  • 振込手数料はどちらの負担か
  • 手形・相殺の有無
  • 出来高払いか完了払いか

関係する法律も押さえておくと安心です。フリーランス法(2024年11月1日施行)は業種を限定しておらず、従業員を使わない一人親方への工事の一部発注も対象になり得ます。取引条件の明示や、報酬を受領日から60日以内に支払うことが定められています。

建設業法でも、元請負人は注文者から出来高払・竣工払を受けた日から1か月以内に下請代金を支払うこと(第24条の3)、不当に低い請負代金の禁止(第19条の3)が定められています。なお、2026年1月施行の取適法(旧・下請法)は、建設工事を他の建設業者に請け負わせる取引を対象外としています。混同しないようにしましょう。

インボイスと材料支給時のみなし仕入率

免税事業者のまま元請と取引する場合、元請側が仕入税額として控除できる割合は段階的に下がります。2026年9月30日までは80%、2026年10月1日〜2028年9月30日は70%です。控除できない分を理由に、日当の引き下げを持ちかけられる可能性があります。登録するかどうかは、取引先の構成を見て判断してください。

登録している個人事業者は、2割特例を2026年分まで使えます。2027年分・2028年分は、基準期間の課税売上高1,000万円以下などを条件に3割特例があります。簡易課税を選ぶ場合、建設業のみなし仕入率は原則第3種の70%です。ただし、材料の支給を受けて労務だけを提供する場合は第4種の60%になります。

リフォームの常用は材料支給が多いため、どちらに当たるかで納税額が変わります。区分に迷う場合は、税務署・税理士に確認しましょう。

労災特別加入と現場で求められる書類

一人親方は労働者ではないため、原則として労災保険の対象外です。リフォーム現場の脚立作業や電動工具の使用でけがをすれば、そのまま収入が止まります。労災特別加入は、自分の手取りを守る保険であると同時に、元請から確認されることが多い信頼材料でもあります。

加入するときの主な確認点は次のとおりです。

  • どの特別加入団体を通じて加入するか
  • 給付基礎日額の選び方(保険料と給付額の両方に影響する)
  • 加入証明書をすぐ出せる状態にしておくこと

給付基礎日額や保険料の具体額は団体・制度の案内で確認し、自分の日当とのバランスで選びましょう。あわせて、建設業許可が必要な規模の工事を自分が請けていないかも確認しておくことが大切です。判断に迷う規模の工事は、許可行政庁に確認してから受けてください。

名鑑プロフィールで「リフォーム対応」を具体的に書く

日当の交渉力は、仕事の選択肢が多いほど高まります。元請・工務店から連絡を受けやすくするには、プロフィールに「大工」とだけ書くのでは足りません。リフォームで任せられる範囲を具体的に並べることが効果的です。

  • 対応できる作業:解体・下地補修・床張り・ボード張り・建具調整など
  • 対応エリアと、移動できる範囲
  • 保有資格と労災特別加入の有無
  • インボイス登録の有無
  • 半日・小工事に対応するか、最低請求の条件

工務店経由だけでなく、施主から直接リフォームを受ける道も検討しているなら、見積書や契約書の整え方を先に押さえておくと安心です。手順はリフォーム案件を直受けする手順と契約書の作り方で確認できます。

閑散期に向けては、小工事・補修の対応可否をプロフィールに書いておくと、短期の依頼で空き日を埋める選択肢が増えます。

まとめ

リフォーム大工の日当は、公共工事設計労務単価(2026年3月適用)の大工・全国平均30,331円、または自分の地域の単価を起点に考えます。ただし、これは公共工事の積算用の賃金で、民間の相場や一人親方の手取りではありません。

リフォームには新築にない負担があります。解体後の想定外の補修、養生・搬入・片付け、住みながらの工事による時間の制約、一人で担う段取りなどです。そこへ自分が負担する保険料・道具・車両の費用を積み上げ、駐車場や処分費は日当と分けて請求するのが、手取りを守る基本の形です。

次の一手として、まず次の4つから始めてみてください。

  • 年間の経費を書き出し、1日あたりの額を出す
  • 半日・小工事の最低請求ルールを決める
  • 支払条件とインボイスの扱いを取引先ごとに確認する
  • 名鑑プロフィールにリフォームで対応できる作業を具体的に書く

日当の数字そのものより、「何が含まれていて、何が別か」を明確にすることが単価交渉の土台になります。

よくある質問

Q. リフォーム大工の日当は新築の大工と同じでよいですか?
A. 労務単価上は同じ「大工」の区分です。ただしリフォームは養生・搬入・片付けや解体後の補修、作業時間の制約が多く、1日に進む量が落ちやすくなります。段取りや追加補修の扱いを事前に決め、必要なら日当の上乗せや別請求を提案するのが妥当です。
Q. 公共工事設計労務単価の30,331円をそのまま日当として提示してよいですか?
A. 労務単価は公共工事の積算用の8時間あたりの賃金で、民間の相場や一人親方の手取りではありません。法定福利費や道具・車両などの経費も含まれていません。提示するときは、労務単価に自分が負担する経費を積み上げた額を根拠として示すほうが説明しやすくなります。
Q. 半日だけの小さなリフォーム工事はいくら請求すればよいですか?
A. 公的な基準はありません。移動と準備の時間は丸1日とほぼ変わらないため、半日扱いの条件、移動距離による1日扱いの基準、1件あたりの最低請求額を自分のルールとして決め、受ける前に伝えておくことをおすすめします。
Q. 材料支給で常用に入る場合、簡易課税の区分はどうなりますか?
A. 建設業のみなし仕入率は原則第3種の70%ですが、材料の支給を受けて労務だけを提供する場合は第4種の60%になります。現場ごとに判断が分かれることがあるため、迷う場合は税務署・税理士に確認してください。

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